Fusako Koike painting the storefront of her Montmartre jewelry atelier — the beginning of her handcrafted silver and gold-plated creations in Paris.

第1話 :モンマルトルのアトリエ

現在のアトリエを構える前、私はいくつかの場所で創作活動をしてきました。

最初のアトリエは、パリでコンテンポラリージュエリーを学んでいた当時に借りていた、
学生時代の小さなStudioでした。
ベッドのすぐ横に作業台を置いた一部屋だけの空間で、 寝る間も惜しんで夢中になって技術を学び、
自分の表現を模索していた幸せな日々でした。

学校を終えた後も、そのモンマルトルの同じスタジオで制作を続け、 自分のブランドの最初の作品を作りました。
そして2012年、そこで「Eat Yourself」というコレクションのアイデアが生まれました。
このコレクションは今も私の世界観の中心にあります。 (詳しくは第二話でお話ししています。)

その後、パリ郊外に借りた小さなアパートの一角に作業スペースを作り、 およそ2年ほどそこで活動したのち、パリ7区に引っ越したのをきっかけに、 12区の共同アトリエで契約し、約10㎡ほどの自分の小さな作業スペースで 他のクリエイターたちと並んで仕事をしていました。

そして2023年、ついにモンマルトルに自分だけのアトリエを構えました。 初めて生活の場と切り離された、制作だけのための空間を持つことができたのです。 それは小さくても、私の手で少しずつ形にしていった、静かで心地よい場所です。

パリ・モンマルトルのアトリエ外観をペイントする様子。ローラーを手にしたFusako Koikeが、自らの手で作り上げる空間を整えている。

工事を始めたとき、私は電動ドリルすら使ったことがありませんでした。 それでも一つずつ学びながら、すべて自分の手で仕上げていきました。 ペンキを塗り、照明を取り付け、ショーウインドーに伝統的なグラスギルディング技法で 金箔でロゴを手描きし、古いヴィンテージのショーケース二つを改造して 小さなスポット照明も取り付け、陳列ケースとして使えるようにしました。 そのすべてが「Do It Yourself」の精神でできており、忍耐と試行錯誤、 そして情熱が詰まった作業でした。

ショーウィンドーの内側に貼られたロゴ下書きテンプレート。グラスギルディングのための準備段階。

アトリエの内装工事中。梯子と道具に囲まれた作業風景。

金箔で描くロゴのデザインの壁面下書き。制作過程の一場面

ヴィンテージショーケースのリフォーム中。新しく息を吹き込むため塗装するDIYの様子。

完成したショーウィンドー。金箔で描かれた『Fusako Koike Paris』のロゴが美しく輝く。

完成後のアトリエ内部。ライトアップされたヴィンテージショーケースにジュエリーが並ぶ。

この最初のアトリエ日記では、当時の工事中の様子を少しだけご紹介します。 長く大変な日々でしたが、どの瞬間も新鮮で学びに満ちていました。 いま、この空間のあらゆる細部に、その頃の記憶が静かに息づいています。 一歩ずつ、自分の手で築いてきた場所—— ここが、私の「すべての始まり」の場所です。

アトリエは予約制でお越しいただけます。
もしモンマルトルにいらっしゃることがあれば、ぜひお気軽にお立ち寄りください。

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